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掛け軸を高く買取してもらうためのポイント!鑑定士がいるから信用していい?
父の遺品を整理していたら押し入れから木箱が出てきた。
箱を開けて中を確認するとどうやら掛け軸らしい。
ただ、シミもあるし、長年押し入れに入れていたせいかかび臭い。
母にどうするか相談したが「状態が悪し捨ててもいい」と言われた。
たしかに、捨てても良さそうだが、箱には印があって価値がありそうにも思える。
掛け軸の知識はないが、「もしも由緒正しい掛け軸だったら」ということがあるので、一応調べてもらってからどうするか決めたい。
掛け軸は保存状態が良ければ高く査定してもらえる傾向があります。
しかし、シミやシワあって状態が気になったとしても買取査定をしてもらうことおすすめします。
なぜなら、有名な作家の作品であれば多少状態が悪くても高額査定になる可能性が高いからです。
掛け軸を高く買取してもらうには、保存状態以外にもポイントがあるのでこれから詳しく解説ます。
①掛け軸を理解している鑑定士がいる買取業者に査定してもらう
掛け軸の査定は美術品や骨董品を専門的に扱っている買取業者に依頼しましょう。
捨てるものだからとリサイクルショップなどに持っていくのはやめるべきです。
リサイクルショップのスタッフが掛け軸をみても本当の作品の価値が分からないからです。
美術品や骨董品を扱っている買取業者には鑑定士がいます。
鑑定経験や掛け軸についての知識が豊富な鑑定士であれば、作品の価値を正しく理解しています。
良い鑑定士を探すには?
とはいっても、掛け軸など骨董品のことを何も知らない素人が、良い鑑定士を見分けることは難しいです。
そこで、確認して欲しいのが買取業者のホームページです。
ホームページで鑑定士を顔写真つきで紹介している買取業者もあります。
鑑定士の買取実績や経験などが分かります。
また、鑑定士が買取をした掛け軸を紹介していることもあります。
「○○円で買取しました」と結果だけを載せているだけなく、査定の理由を詳しく説明しているので参考にできます。
例えば、
- 「これは18世紀に中国で書かれたもので希少でした」
- 「近代美術の先駆者の作品」
- 「質朴秀麗(しつぼつしゅうれい)な画風を産み出した作品」
など読めば鑑定士に専門知識がある感じることができます。
逆に、「掛け軸買取強化」とホームページで書いてあるのに、掛け軸のことは何も触れていない買取業者もあります。
このような業者は掛け軸の買取実績がなかったりする可能性があるので、査定候補に入れないようにしてください。
鑑定士について注意すべきこと!
不動産には不動産鑑定士という国家資格がありますが、「美術品や骨董品の鑑定士」という国家資格は日本には存在しません。
買取業者の中には「専門鑑定士多数在籍」などと宣伝していることもあります。
鑑定士とはいっても、試験を受けたり、実務経験を積んだしりて、国に認めた資格を持っているわけではないので、気を付けましょう。
ちなみに、古物商許可を得れば、美術商として掛け軸などの骨董品の買取や販売ができます。
始めたばかりの美術商でも「鑑定士」と名乗ろう思ったら、名乗れます。
だから、「鑑定士」と聞いただけで信用してしまうのは早計です。
美術品買取で大事なのは鑑定する人の実績と経験です。
まずは、買取業者のホームページをみて、どんな鑑定士がいるのかを確認しましょう。
そして、良い鑑定士がいると思った買取業者をいくつか見つけて査定しもらうのが後悔しない方法です。
②有名作家の掛け軸は高い買取が期待できる
掛け軸は有名な作家の作品は人気があり、高く買い取りをしてもらえることが多いです。
掛け軸を誰が描いたのかは署名や落款をみれば分かります。
落款(らっかん)とは、「いつ、誰が、なぜ作品を描いたか」が記されたサインのようなものです。
印章が残されていることも多く、作者自身が間違いなく描いたと証明するものです。
ほとんどの作家は自分の作品に署名や落款を記します。
掛け軸の査定ではこの署名や落款が大事な要素です。
日本の掛け軸も中国の掛け軸も人気がある
掛け軸の種類は大きく分けると
- 日本の掛け軸…水墨画、山水画、花鳥画、仏画など
- 中国の掛け軸…山水画、花鳥画、人物画、走獣画、道釈画など
がありますが、どちらも需要があります。
なぜなら、茶道を趣味としている人や骨董品の愛好家などが有名で由緒ある掛け軸を欲しているからです。
日本の掛け軸の有名作家の例
- 横山大観
- 菱田春草
- 川合玉堂
- 上村松園
- 鏑木清
- 富岡鉄斎
- 棟方志功
- 葛飾北斎
- 竹久夢二
- 篠田桃紅
中国の掛け軸の有名作家の例
- 鄒喆(すうてつ)
- 汪士慎(おうししん)
- 李方膺(りほうよう)
- 高剣父(こうけんふ)
- 劉海粟(りゅうかいぞく)
- 徐悲鴻(じょひこう)
- 傅抱石(ふほうせき)
- 林風眠(りんふうみん)
- 黄冑(こうちゅう)
- 呉作人(ごさくじん)
掛け軸の知識がなければ誰の作品だと分かる可能性は低いです。
もし、有名な作家の作品だと分かったとしても、偽物には気を付けましょう。
有名な作品は高く売れるため偽物が多く出回っています。
作家名が分かっても分からなくても、一度査定をしてもらって確かめてもらうことが大事です。
③箱の有無
掛け軸がおさめられている箱も大事な要素です。
箱にもいくつか種類がありますが、共箱(ともばこ)があれば高額査定につながります。
共箱には作家自身が描いたことを証明する落款が残されているからです。
共箱以外には、
- 極箱…後継者や遺族など作家以外が作家名や画題どを記した箱
- 合箱…作品の大きさによって作られた箱。箱書などはない。
などがあります。
共箱がなければ掛け軸の価値は相当下がってしまいます。
素人が見ただけでは「何が何のための箱なのか?」分からないと思います。
だから、箱があれば一緒に保管し、査定のときすべてみてもらうようにしましょう。
④掛け軸の状態
掛け軸は状態が良ければ高い査定結果がでます。
掛け軸に多いのはシミやシワ、焼け。
基本的に紙でできている掛け軸は保存状態が悪ければ痛みやすいです。
査定までできるだけ状態を悪くしないためには、高温多湿や直射日光を避けて保管しましょう。
まちがっても濡れた手で触ったりしてはダメです。
掛け軸に破れや汚れがあったとしても、無理に修復するのもおすすめしません。
修復する業者もありますが、査定金額よりも修復代が高くこともあります。
今の状態を維持して査定するのが良いです。
とはいっても、状態が悪いだけで査定結果が極端に悪くなるとも限りません。
日本は高温多湿の気候で、掛け軸を綺麗なまま維持するのは難しいです。
だから、多少のシミやシワがあるのは仕方ありません。
買取業者の中には、日本独特の気候を考慮してくれることもあります。
数か所にシミがあって状態が悪くても、有名作家で共箱があれば高額査定の期待はできます。
「汚れやシミがあって状態も悪いし大したことないだろう」と判断するのはNGです。
⑤掛け軸は査定後にどうするか決めても遅くない!
掛け軸は遺品整理のとき出てくることもあります。
あなたに興味がなければ、
- 作品本来の価値が分からない
- 汚れているから捨ててしまう
- 雑に保管して価値が下がってしまう
というケースになりかねません。
信頼できる買取業者をさがして査定してもらうのは手間がかかります。
「二束三文の買取結果だったら…」と思うと面倒ですよね。
とはいっても、買取業者は出張査定してくれるところもあります。
ちょっとだけ時間を作って査定してもらってはいかがでしょうか?
買取業者次第では思わぬ査定結果が出るかもしれませんよ。