芋焼酎とはサツマイモを主原料とした焼酎で、原料特性・原産地特性を合わせ持つ伝統的な本格焼酎の代表格で、産地は鹿児島、宮崎、奄美が有名です。サツマイモは穀類の3分の1のデンプン含量で水分が多く長期の貯蔵に耐えられないため酒の原料としては扱いにくく、世界中で広く栽培されていますがそのままの形で酒造原料となっているのは芋焼酎だけとなっています。黄金千貫・ジョイホワイト・紅さつま・金時芋・紫芋・安納芋などのサツマイモから作られ、芋焼酎独自のクセのある香りとサツマイモ特有の甘い風味とソフトな飲み口が特徴的です。蒸留酒ですが醸造酒的な飲み方のできる特性も芋焼酎ならではのものとなっています。幻の紫芋と言われるムラサキマサリを原材料として芋焼酎とは思えない甘みや香りがある赤霧島、芋焼酎独特の臭みがなくフルーティーな香りで穏やかな味わいの魔王、トロリとした甘みで芋焼酎らしい独特な後味がある黒霧島、黒麹仕込みによる芋のどっしりとした力強いボディのある味わいの佐藤黒、黒麹を使用し濃厚な味わいとクセが強すぎないバランスのよい伊佐美、上品な芋の香りとまろやかでスッキリと飲みやすい味わいの三岳などがあります。

麦焼酎とは麦を主原料とした焼酎で、古くは長崎県壱岐の島の特産とされるほど産地が限定されていましたが、現在の主産地は壱岐・大分県・福岡県となっています。主原料である麦にはハダカ麦や大麦の精白したものが使用されています。精白歩留60％と高度に精白を行いますが、これは製品のムギの癖を軽減して淡麗・軽快な酒質とするためです。麦焼酎はすっきりとした飲み心地のドライと飲んだ後の爽快感、麦こがしのような 軽く香ばしい香りを持ち、軽快でさえのある辛口タイプが多くなっています。芋焼酎に比べて飲みやすく焼酎初心者にも親しみやすいため、アルコール度数は高めのものが多いですが度数を感じさせないような軽やかさやクセのないシンプルな味わいが特徴で、多くの人に愛されています。ライトな香ばしさと甘みでまろやかなコクがあり飲み口もすっきりしている佐藤麦、代々受け継がれてきた伝統の技により麦本来の味や香りが最大限に引き出されている兼八、厳選された大麦と地元大分の水で伝統と技をもって造られた優雅で華やかな仕上がりの吉四六、オーク樽の香りとココナッツや香ばしい麦の風味など気品高い王を思わせる味わいの百年の孤独などがあります。

米焼酎は米を原料とした焼酎で、沖縄の泡盛と熊本の球磨焼酎が代表的ですがそれぞれ製法も違い、香味にも特色があり、伝統と風格を持っています。米焼酎は米のみで作られていますが米焼酎の原料となる米は特に焼酎用ということではなく、食用として人気があるコシヒカリやヒノヒカリなどの銘柄も使われ、山田錦など日本酒造りに適した酒米が使われていることもあります。日本で食べられるジャポニカ米だけではなく、アジアで栽培されるインディカ米（タイ米）が使われることもあります。芋焼酎と麦焼酎はほとんどが九州地方で作られていますが、米焼酎は日本酒の酒蔵が作ることもあり生産地は全国各地に広がっています。焼酎の中では最もすっきりして口当たりがよく、米本来の旨味もしっかり感じることができ、米のほのかな甘み、フルーティーな香り、すっきり爽やかが特徴です。日本酒の吟醸酒のようなフルーティーで華やかな香りが強く口当たりがよい鳥飼、ほのかかに香る吟醸と三段仕込みによる上品な風味の八海山よろしく千萬あるべし、品格ある日本酒のような香りと減圧蒸留によるスッキリした味わいの宜有千萬、球磨のオーガニック米を使用した減圧蒸留によりさっぱりとした飲みやすい豊永蔵などがあります。

様々なジャンルの焼酎の買取を行っております。