高価買取となる占領地切手の買取ポイントは？

占領地切手は、数ある切手のなかでも希少性が高い逸品となるため、高価買取の可能性がある切手です。この記事では、高価買取となる占領地切手の買取ポイントと買取相場についてご紹介します。

占領地切手とは？

占領地切手とは、およそ80年前の戦時中に日本の占領地で発行された切手です。
第二次世界大戦の開戦当初に日本は東南アジアなど各地で勝利し、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ビルマなどを占領していました。占領地切手は、南方占領地切手とも呼ばれています。

日本の占領地では、郵便事業を接収し日本軍監督下で郵政が行われました。占領地では当初現地政府が発行した切手を使用していましたが、やがて国章や軍政関係者、郵政関係者の印が加刷された「加刷切手」が流通しています。

その後、香港やアンダマン・ニコバル島以外では、新たな絵柄を採用したオリジナルの「正刷切手」が流通することになりました。

本章では、占領地切手が高価買取となるポイントについてご紹介していきます。なお、占領地切手は未使用が望ましいのですが、消印が付いたものでも高値売却になる可能性があります。

まずは、現在の流通量が少なく希少性が高い切手です。

占領地切手のなかには発行枚数自体が少ないものや、発行したものの実際に流通した量が少ないものがあります。切手が発行された当時、コレクターは殆どいないため、切手が保管されていること自体が珍しいという事情もあるでしょう。

次に、保存状態が良く美品な切手です。

占領地切手は、およそ80年前に発行された切手であるため、切手自体にシミやシワ、折れや色褪せなどがあっても不思議ではありません。そのなかで、保存状態が良く綺麗な状態の切手は大変貴重です。

よって、このような占領地切手があれば高価買取となります。

本章では、占領地と切手の種類、買取相場についてご紹介していきます。

占領地	切手の種類	買取価格など
ビルマ	ビルマ郵便切手矢野切手牛耕図案切手独立記念切手	ビルマでは、1942年6月1日に日本軍により発行された切手が「矢野切手」です。矢野切手は、当時ビルマにあった切手に矢野静雄（当時のビルマ郵政再建委員）自らの認印を押印したものでしたが、その後日本語で記載されたビルマ郵便切手が発行されました。ビルマ郵便切手の額面は5セントです。現在の買取価格は、切手自体の希少性が高く3,000円程度です。また、保存状態が良ければさらに高価買取となる可能性もあります。
フィリピン	比島郵便切手大東亜戦争1周年記念切手	大東亜戦争1周年記念切手フィリピンでは当初アメリカ統治時代に使われた切手に日本語を加刷した切手が使用されました。その後、1943年に発行された正刷切手は「比島郵便」と日本語表記がされています。直近の買取相場は、1枚あたり4,000円程度です。
英領マライ（マレー）	ゴム採集切手錫採集切手	シンガポールを含むマレー各州では、「マライ」、ボルネオ島では「北ブルネオ」の日本語の国名表記がされた正刷切手が発行されています。買取相場は、1枚あたり2,000円程度です。