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骨董品の種類~日本~
骨董品(アンティーク)は希少価値のある古美術や古道具の事で、物品のジャンルは食器や文具などの日用品、玩具、貴金属や宝石などの装飾品、衣類や家具など様々です。
●日本の焼物
焼き物には「陶器」と「磁器」「炻器」があります。大きな違いは原材料で、陶器は土の中にある粘土から作られ、磁器石を砕いた粉と水を練った粘土から作られます。
・陶器
陶器は粘土で作られていることから「土(つち)もの」とも呼ばれ、原料は陶土・長石・珪石、焼成温度は800度~1200度、素地が不透光性で吸水性があり叩くと低くにごった音がします。
主なものは瀬戸焼、美濃焼、常滑焼、信楽焼、笠間焼、萩焼、益子焼、唐津焼などです。
・磁器
磁器は石で作られるので「石(いし)もの」とも呼ばれ、原料は陶石・長石・珪石、焼成温度は1200度~1400度、素地が透光性で吸水性はなく叩くと高い澄んだ音がします。
主なものは有田焼(伊万里焼)、九谷焼、砥部焼、波佐見焼、清水焼などです。
・炻器
炻器は陶器と磁器の中間的なもので、陶器同様に不透明で叩くとにごった音がしますが、吸水性はありません。
主なものは信楽焼、備前焼、常滑焼などです。
●茶道具
茶道具とは日本が誇る文化である茶道で使われる道具で、茶道具の種類は多く一式は20品にもなります。
茶道は日本の伝統的な文化のひとつでその歴史は平安時代までさかのぼり、茶道具は戦果をあげた武将への褒美として与えられた貴重品です。
茶器、茶碗、釜、風炉先屏風、柄杓、盆、水指、水注薬缶、茶筅、茶巾、巾筒、茶杓、蓋置、建水、台子、袱紗挟み、菓子器、香合、掛物、花入などがあり、優れた道具は「名物(めいぶつ)」と呼ばれています。
●刀剣
骨董品での刀剣とは主に日本刀で種類は大きさ、刃の長さからいくつかの種類に分けることができます。
直刀(刃がまっすぐな刀)、太刀(平安から室町まで使われた刃が剃っている刀)、刀(武士が基本的に持っていた刀)、脇指(江戸時代に女性が護身用として持っていた刀)、短刀(腰刀とも呼ばれる短い刀)、剣(両面に刃がついている刀)、薙刀(今でも女性が使っている刀)、槍(先っぽに短剣が備えられた刀)と大きく8種類に分類されます。
骨董品でも本物の日本刀は大変危険なものであり、所持するためには「銃砲刀剣類登録証」が必ず必要です。
「銃砲刀剣類登録証」がついている刀であれば、骨董品店で購入することも友人に証明書と一緒に譲ることも可能です。
この登録証は基本的に各日本刀についているもので、骨董品店で購入する際にもまずこの登録証がないということはありえません。
また、日本刀をつくる工程に、決められている必要な工程を行わずに製造された刀剣は所持することができないことになっています。
●絵画(日本画)
・浮世絵
浮世絵は歓楽境「浮世」を描いた庶民風俗画で、江戸時代に江戸を中心に多く誕生しました。風俗画が多く、遊女や役者などを描いた作品が数多く生み出されました。
葛飾北斎は「富獄三十六景」が有名ですが、その他にも森羅万像を描き生涯で3万点を超える作品を誕生させました。版画以外にも肉筆浮世絵も意欲的で、作品を多く生み出しています。
喜多川歌麿は美人画家で魅力的な女性の姿を多く描きましたが、彼のあくなき美への追求は51歳のときに風紀取り締まりの処分で牢獄に入れられました。
常に「やったことのないこと」に挑戦し続けた彼の生き様や絵は、今でも多くの人に愛されています。
東洲斎写楽は1年にも満たない短い間に140品を超える作品を作成する非常にハイスピードな画家でした。ミステリアスなことにわずか10か月で姿を消し、その正体や足取りは今もなおはっきりしたことはわかっていません。
「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」など、生身の人間を写し取ったような動き出しそうなその役者絵は非常に人気が高いものです。
・水墨画
水墨画は日本絵画の分野で代表的なジャンルで、水墨画の技法は唐の時代に山水画の技法から完成し禅宗によって日本で普及しました。
水墨画は墨一色で表現され、線だけではなくぼかして濃淡や明暗を表すように描かれているのが特徴で、使う水とのバランスをとりながら墨の一色から偏色に変化させて表現豊かな水墨画が描かれています。
筆は線を引くための筆と面を表現するために柔らかい筆を使用して毛質の特徴を活かし、幅広い表現を作り出しています。
室町時代の水墨画家として有名な雪舟の代表作「天橋立図(あまのはしだてず)」を含め6作品が国宝と指定されています。
室町後期には幕府御用絵師の狩野正信・元信の親子も登場し、日本画の技法を取り入れられた水墨画が増えた室町時代は水墨画の最盛期でした。
・漆絵
漆絵は墨摺版画に絵具を使って彩色をし、黒い部分を強めるために髪の毛や帯などの部分に黒漆を使用、光沢感を出すために筆で色を付けたものです。
深く黒く輝く色彩が大きな特徴で、光の加減で色が違って見えるため見え方の違いを楽しむこともできます。
●版画
川瀬巴水は大正・昭和期に活躍した版画家で、当時浮世絵版画が衰退する中で新たな技法を用いて2,000点以上の版画を作成しています。
伝統的な版画の復興を目指しました版画は「新版画」と呼ばれ日本美術の新しい存在として衝撃を与え、詩情的な風景版画を数多く残し国内よりも海外での評価が高い作家です。
吉田博は風景画を題材とし、特に山岳を愛し多くの版画に鉱山が描かれています。
草間彌生は「前衛の女王」の異名を持つ現代の日本芸術家です。幼い頃から統合失調症を患い、幻聴や幻覚から逃れるために絵を描き始めました。
絵画などの平面作品、彫刻などの立体作品の両方にドットをモチーフとした作品が多くあります。
●彫刻
高村光太郎は「智恵子抄」の歌で非常に有名ですが、本業は彫刻家だったと言われています。
「光雲の首」などが有名ですが、高村光太郎の作品は大部分が失われ現存するものはそれほど多くはありません。